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SHIKI -HAKONE-

 日本の住宅において一般的な「庭付一戸建」という形式は、建築が主であり、庭は従属的な余白として扱われることが多い。本計画ではその主従関係を反転させ、建築が外部空間に従属するような「戸建付庭」とも言える在り方を模索した。

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それは、今回の敷地が箱根町宮ノ下で国道に面しながら背後には深い森林が広がる、都市的境界と自然の深淵が同居する場所であること、住宅の形式を纏いつつもその実態は宿泊施設であるという計画であるためである。 

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本施設では、インバウンドや複数家族やグループ客の利用を想定し、「非日常的な機能」を再編している。利用者の求める2ボウルの洗面台、海外製機器を備えたキッチン、ゆとりある浴室といった機能的な充足はもとより、

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平面計画において、1Fに寝室と水回りを配置し、寝室間に物理的と音響的な距離と独立感を確保した。

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2Fは大人数時には独立した個室として機能するリビングとダイニングキッチンを配した。その上で各居室と、リビングとダイニングキッチンの間に「外室(アウトドアダイニング)」を貫入させた。

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バッファーとして寝室間に外室 (テラス) を挿入することで、音環境と視線を分断し、プライバシーを担保した。リビングとダイニングの間に外部を介在させることで、連続的な空間を機能的に分節し、状況に応じた個室化を可能にした。

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それに加え、サッシを開放とするとリビングからダイニングキッチンまで一体で利用できる。

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浴室に付随する外気浴が出来る外室(バステラス) を含め、各外室は屋根の有無や透過性、壁による囲われ方がそれぞれ異なり、光、雨、風といった箱根の微細な自然環境を現象的に捉える。

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内室(守られた空間)と外室(晒された空間)、そしてその中間領域が等価に並置されることで、内と外が反転し続けるような空間体験を目指した。 

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これは単なる自邸や私的なプロジェクトではなく、設計事務所としてのノウハウを「経営」というフェーズまで拡張させる試みである。設計者が自ら運営主体となることで、設計の純度を極限まで高めると同時に普段行えないような実験的な試みやショールームとしての利用、設計業務以外の収益基盤を構築し、建築家が「作品」としての質を追求しながら、経営的な持続可能性を自ら担保するこの実践は、これからの設計事務所の在り方を拡張する一つであると考えている。

SHIKI -HAKONE-

2025.12

竣工/Completion

宿泊施設/Private Villa

用途/Principal use

 105.80 ㎡

床面積/Floor area

竹広林業株式会社/Takehiro Forestry Co., Ltd.

施工/Contractor

淺川敏/Satoshi Asakawa

撮影/Photo

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